「包んで映す」瞑想と、心の場所

自己洞察瞑想療法(以下、SIMT)には、他のマインドフルネス心理療法にはない少し変わった瞑想があります。


それは「包んで映す」瞑想です。


一体、何を「包み」「映す」のでしょうか。 


瞑想するとき、五感を通じて様々な情報が私に訪れます。また私の内側では、思考や感情や身体反応や欲求も起こっています。これらは絶えず移り変わり、現れては消え、現れては消えていく現象です。この一つ一つを、現在進行形で自分の心でもって包み、映し出すようにするのです。 


どのようにするかというと、心の現象の一つ一つに巻き込まれないようにしながら、それらよりいつもより広い「場所」を心に描きます。というより、心がその「場所」そのものであるかのようにイメージします。その場所そのものは決して変わることなく、すべての心の現象がその中で現れ、消えていくような場所です。ちょうど、カメラを通じて外をのぞいた時、そこに映った景色は移り変わるけれど、フレーム自体は決して変わらずそこにあり続ける、といったようなものです。その心の「場所」が、一つ一つの現象を包み込んでいこうとします。 


と同時に、その場所は鏡のようなものであり、そこに一つ一つの現象が、そっくりそのまま映し出されていきます。できるだけ歪みなく、ありのままに心の場所に映し出されるように、受け止めていきます。SIMTでは、このような練習に初回セッションから取り組んでいきます。


「包んで映す」瞑想は最初は感覚をつかむのが難しいのですが、イメージや比喩を用いるなどして少しずつ慣れていくとよいかもしれません。私は、ボリビアにあるウユニ塩湖(下の画像を参照)をイメージするのがぴったりきます。雨季の塩の湖に、ある特定の気象条件で整ったときにあらわれる、大空を映し出す巨大な鏡。そこに天空を流れる雲がそっくり映し出されます。ちょうど、雲が心の一つ一つの現象で、塩湖が心の場所であるかのようにイメージすると、とてもおおらかな気持ちになり、ささいな不快な出来事などどうでもよくなり、さーっと受け入れてしまいたくなってきます。


「包んで映す」瞑想についての詳細は、前回も紹介した次の本のセッション1でトレーニングをしていきます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。


『うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』

大田 健次郎著、佼成出版社(税込価格 2,160円) 


KAZUHIRO HORII Website

マインドフルネス瞑想療法士が、こころに移りゆくよしなしごとを日々書きつけていきます。

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